第2章 新たに迎え入れられる者
7年前のあの時、植え付けられた自分へのトラウマ。
"お前が誘ったのが悪いんだ!この淫乱娘が!!"
思わず身体がぶるりと震える。
…あれ?忘れた筈なのに、どうして思い出すんだろう?
結局私は過去から逃げてばかりで、何一つ変わっていない。
あの時から私は穢れたままだ。
「あんな瞳で見られたら、どうすればいいか分かんないよ…。」
エレンのまだ純粋で曇りのない瞳。
あの瞳に私はどう映ったんだろう。
汚ない淫乱娘?それとも女を捨てたただの兵士?
どっちにしても傷つくな…。
でも、まだ後者の方が幾分かマシだ。
「…って、何考えてんだ、私。」
まだ一度しか会ったことのないエレンに、少しでも良く見られたいなんて。
何処かで頭でも打ったのかな。
…もう休もう。考えるのはヤメだ。
どうせ明日は朝早くからシーナへ向かわなければならないんだし。
どこかモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、ベッドに潜り込み目を閉じれば、思いの外疲れていたのか、すぐに眠りにつくことができた。