第2章 新たに迎え入れられる者
「…もう、そんなに意地悪しないでください。」
少し困ったように眉を下げると、エルヴィン団長は、ハハッ、すまない、と笑いながら私の隣まで来て頭を撫でてくれた。
そのままグッと引き寄せられ温かい身体に包み込まれた。
「団長?」
「今は二人だけだ。」
「……パパ。」
「いい子だ。」
別に本当に血が繋がっているわけじゃない。
でも、私にとっては本当のお父さんのように良くしてもらっている。
私を地獄の底から救い出してくれたのはこの人だ。
だから私もこの人に恩返しをするために心臓を捧げている。
「シャーロット、俺は嬉しいんだよ。シャーロットが少しでも自分から他人に興味を持ってくれたことが。」
「別に恋愛的な意味じゃないからね。」
「分かってるよ。…でも、いつか心の底から愛する人が見つかるようにと願っておくよ。」
大きな手で頭をゆっくり撫でられる。
今はその手に甘えるのが精一杯で、心の底から愛する人など見当もつかなかった。