第2章 新たに迎え入れられる者
「エレンは君に興味津々の様子だったよ。」
「そう、ですか…。」
そこまで言われると悪い気はしない。
いや、むしろ嬉しいというものだ。
言葉では素っ気なく対応しながらも、表情筋が緩んでしまう。
まずい、と思って唇をキュッと結ぶも、時すでに遅し。
エルヴィン団長はニコニコと目を細めながら此方を見ていた。
「今の表情をエレンが見たらとても喜びそうだな。君もエレンが気になるのかい?」
「べ、別に、気にはなりますけど、そういう訳じゃ…、」
「俺は何も言っていないが?」
この人は本当に意地悪だ。
澄ました顔をして言葉を巧みに操り、相手の本音を聞き出すのが尋常じゃない程上手い。今だってエルヴィン団長は悪戯っぽい笑みを浮かべている。