第2章 新たに迎え入れられる者
もちろんその作戦は幹部クラスの兵士しか知らないし、当然私も知らされていない。
ということは、私が明日同行したところでただのお荷物だ。
私の呆けた顔が面白かったのか、エルヴィン団長は柔かな顔で私を見ている。
「あの、…理由を聞いてもよろしいでしょうか。」
「勿論。君の同行に関してはエレンの要望だ。」
「……へ?」
「エレン自ら君の同行を志願したんだよ。」
自ら聞いておいてなんだが、全く解せない。
エレンと私は顔見知りではないし、そもそも接点がない。
…いや、接点はあるか。
ウォール・ローゼ奪還を達成した時、彼の目は確かに私の姿を捉えた。
あの綺麗な翡翠色の瞳には強烈な印象がある。
だけど、たったのそれっきりだ。
もしかして人違いじゃないだろうか。
「先に言っておくが、人違いではないよ。」
「え…?」
「あの場にいた者で金髪碧眼の美人と言ったら君しかいないだろう?」
「…そんなに褒めても何も出ないですよ。」
私は素直な性格ではないので、疑うような視線を投げかけていると、エルヴィン団長は全く意に介さず、むしろ面白くて仕方ないといった様子で顔を綻ばせた。