第17章 責任と真面目故(●)
地下の街の天井に立体機動装置のワイヤーを巻き取る音が響く。
1人の立体機動装置が早すぎて風圧で木箱がひっくり返った。
『リヴァイ!飛ばしすぎだ!ガスが切れる!』
『リサのやつ…馬鹿なことをしやがる…!イザベルが家に向かってなかったら気づかなかった』
『兄貴…ごめん。俺が無理にでも止めていれば…』
ファーランに諭されリヴァイは舌打ちをして3人は並行して飛ぶ。
『いや、お前は間違ってない。相手が刃物を持っていたかもしれんからな』
うん…とイザベルは少し俯いていたが、顔を上げて進行方向を見る。
『しかし、何でまたリサは俺たちにそんな嘘をついたんだ?』
『リサは甘えるのが下手だ。俺たちに頼らず1人で責任取ろうとしたんだろう』
『ほんと、リヴァイとリサは似てるよな。綺麗好きで頑固で人に頼らず、すぐ自分で何とかしようとするところとか…』
『…俺とリサは似ている…か』
そっと目を瞑りリサの笑顔を思い浮かべる。
自分と似た者を好きになるのかリヴァイには分からなったが、似ていると言われて嫌な気はしない。
『あいつは俺なんかと似なくていい…。リサは俺みたいに手を汚さなくていい……それは俺の…役目だ』
リサを傷つけるモノはリヴァイが立ち上がる。
借金の為に身体を売っていようが関係ない。
惚れた弱みか…リヴァイは自虐的に笑うと、ファーランとイザベルを順番に見る。
『お前ら、急ぐぞ…!これ以上、リサを傷つけさせねぇ!』
けたましく立体機動装置の音が鳴り響いた。