第55章 ☆
『·····となると、駐屯兵ですか?』
『美味そうなスープだ。いや、調査兵団だ』
『調査兵団?!?!』
『おい、スープ零れるだろうが。立体機動装置の回収でもしたいんじゃねぇか?資金繰りに苦労してるってのはリサも見ただろ』
『そうですね』
今でも目に焼き付いているあの罵倒や期待していない眼差し。嫌な感じしか残らないあの雰囲気は好ましくない。
資金繰りに苦労している兵団なら立体機動を1台でも節約したいだろう。
だからといって商売道具である立体機動をはいどうぞと渡す訳にもいかない。
リサたちとて生きるのに全力だ。
『だから急な来客が来てもお前は応対しなくていい。俺やファーランがいるなら別だがな』
俺は!?とイザベルは自分が入っていないことに不満だったが、お前1人じゃ限度があるからと却下されていた。
『ところで、リサ。最近食材を節約してるのか?いる物があるなら遠慮するな』
『あ、ごめんなさい。質素過ぎますよね』
『いやリサが色々考えてくれているのは知っている。どうせ自分のせいで仕事を押させてしまったのに更に買い物付いてきてもらうのが悪いからとか、そんなこと考えてんだろ』
『わぁー·····リヴァイさんにお見通し』
『ったく。俺は元々そんな食うタイプじゃねぇけど、こいつらは食うからな。欲しい食事ないのか?明日用意しに行く』
『じゃ、じゃぁ·····卵。卵が欲しいです』
リサの卵という言葉にイザベルは目玉焼き!!と両手を上にあげて喜んだ。
リヴァイは分かった。と、一言だけ言うとスープをずずっと飲んだ。
『あぁ、それとリサ』
『何でしょう』
『今日は俺の部屋で寝ろよ』
『み、皆さんいるのにっ·····』
ファーランとイザベルは慣れた様子ですぐに片付けると自室へと籠りに行く。
そんな二人を見てリサは出来る仲間過ぎませんか?とリヴァイをちらり見ると、にやりと笑い返してきたのだった。