第15章 緑と赤
『リヴァイ!どこか行くのか?!』
リサを追っていたファーランが戻ってきていた。
家の階段の所に座っていたファーランは立ち上がり、慌てているリヴァイに近寄る。
『お前こそ、何でここにいる…リサを追っていたはずだよな?』
『ローザと部屋にいると思って入りずらかったから、外で待ってただけだよ。リサは送り届けたから』
あぁ…とリヴァイはファーランが余計な気遣いをしたのだろうと思った。
そして、片手に少し崩れた紙袋の存在にも気づく。その視線に気づくとファーランはリヴァイの胸の前に差し出した。
『なんだ、これは…。紙袋がシワシワじゃねぇか』
『リサがリヴァイに渡してくれって。思い出をありがとうってさ…。紙袋がシワになってるのは、俺がリサを抱きしめたからだよ』
紙袋を受け取るリヴァイは手がピクリとなる。
『……リヴァイ。もう、素直になれよ。このままじゃ、マジで俺がリサ貰うぞ…。泣いているリサをこれ以上見ていられない…!』
『ファーラン…リサはやらん。それに、ローザとは別れた。っても、俺は付き合う気は元からなかったからな』
『おい、情報はどーするんだよ!身を張って得ようとしてたんだろ?』
『……ローザの方が根負けして折れた。あいつが知っていたことは聞き出せた…。信じたくない内容だった…』
受け取った紙袋の中身を取り出す。
一目でリサが作ったハンカチだと思った。
羽の刺繍もリサが何か考えているに違いない。
さようなら…なんてさせてやらねぇ。。
『ファーラン、リサのところへ確認しにいく。詳しい話は中にいるローザに聞いてくれ!それと、イザベルも心配してるだろうからフォローしてやってくれ』
それだけを言う高々に飛び立つ。
『あ~ぁ、中のお嬢様のご機嫌取りは俺の役目かよ。うちのリーダーは人使いが荒いもんだ』
そんなことを言いつつ、リヴァイがローザと別れたことやリサに会いに行ったことが少し嬉しいファーランであった。