第14章 交わらない思い
『俺…リヴァイにも落ち度はあったと思うんだよね。だから、リサだけが謝るのは違う気がするかな』
『いえ、私の我儘で自分のことしか考えてなかったんです。きっと…リヴァイさんは何か考えてくれてたんだと思います』
リヴァイに関しては大筋合ってるなぁと若干関心する。
『もしかしたら、もうリヴァイさんは私に会いたくないかもしれませんけどね』
『いや――』
寧ろ会いたがっている…と心の中で言葉を思い留める。
『―――もし、リヴァイがもうリサに会いたくないって言ったら…?』
自分でも何てことを言うのだろうとファーランは背中が冷りとする。
『私には嫌だっていう資格はないので…迷惑はかけたくないので…もう会いません…』
悲しげに薄らと笑みを浮かべてファーランを見上げる。
『ごめん…、そんな顔をさせたかったわけじゃない。リヴァイに限ってそんなことないから…安心して?』
リサは小さく頷く。
ファーランはリヴァイの本当の気持ちやリサの気持ちを知っているだけに歯痒くなっていた。
『(それにしても、嫌だという資格はないってどういうことだ…?)』
リサがいる反対側のほうを見ながら眉を寄せて考える。
そんな様子のファーランを横目でリサは静かに見ていた。
『あっ!アジトが見えてきました!確かここを曲がったら階段でしたよね』
笑顔で小走りに先を行くリサにファーランは、そうだよと笑顔で答える。
先に曲がってしまったリサを追いかけるようにファーランも早歩きをする。
リサの名前を呼ぼうとすると、曲がった先にリサが立ち止まっており、思わず小柄な身体とぶつかりそうになった。
『わっ!びっくりした…。てっきり先行ったと思ったけど…リサ、どうした?』
リサの顔を覗き込むと俯いている。
スっと指をさされ、ファーランは指のさされた方向をみる。
『(……しまった。タイミング悪かったか…)』
指がさされた方に…リヴァイとローザの姿があった。