第13章 覚悟
リヴァイはリサを追いかけることが出来ず、アジトへ戻ってきていた。
―――――お前の男じゃねぇ
散々触れておいて、あまりの身勝手さにリヴァイは自分に嫌気がさしていた。
『……リサが他の男といるのを想像するだけで、男を殺したくなるのにな』
ガシガシと頭を掻きながらアジトの階段を登る。
『あいつを気にかけて何とかするどころか、怒らせて泣かせてしまって…ざまぁねぇよな…。俺は何がしたいんだ…』
ドアノブに手を掛けて開けようとすると、中から声が聞こえた。
耳を近づけ声の主が分かるとリヴァイは勢いよくドアを開ける。
『ローザ!テメェ何しに来やがった!』
『あ、リヴァイ!もうっ、そんな顔しないでよー!』
リヴァイの腕に絡むように抱きつく女、ローザ。ドレスから溢れそうな自慢の胸を押し付ける。鼻につく香水の匂いでリサの香りが消えそうな気がしたリヴァイは、うぜぇ!とそれを払いのけるとファーランを睨んだ。
『おいっ、ファーラン!なんでこいつがここにいる!』
『落ち着けリヴァイ!仕事を進めていくうちに、ローザの働く娼館に辿り着いた。あそこじゃ話がしにくいから、ここまで来てもらっただけだよ。イザベルは別の仕事をしているから大丈夫だ』
『そうよ~♡全然相手をしに来てくれないから、協力する代わりにリヴァイに会わせてって言ったの。ねぇ~私の体良かったでしょ?また満足させてあげるよ?』
リヴァイの前に胸の谷間を見せつけるように屈みながら近付き、人差し指でリヴァイの口に触れようとするがリヴァイは首を傾け避けた。
『リヴァイ冷たーい!』
『テメェに満足なんかしたことねぇ。俺を満足させれるのは…』
『なぁに~?』
『クソっ、テメェには関係ねぇ…。ファーラン、仕事の話をするぞ』
脳裏に過ぎったリサの笑顔を思い出すリヴァイ。
グッと拳を握り、部屋の奥へと歩き出した。