第12章 繋がり(●)
天井から吹き降りる風が2人の髪を靡かせる。
『……リサ。お前、朝からシャワー浴びたのか?』
元からいい匂いがするリサだが、洗い立てのような石鹸の香りがする。
リサは少し黙ると、
『朝から掃除張り切っちゃいました!埃被ったままお客さんをお迎えするわけにはいきませんからね』
『あの部屋に?埃がたまる前に掃除をされて綺麗になってそうだが?』
『そうですか?埃はどこからともなくやってきますよ!』
自分でも言いそうな台詞だな…と妙に納得してしまう。
しかしリヴァイは目が笑っていないリサの笑顔を見逃さなかった。
『なぁ、リサ。俺は信用に足らない男か?』
『信用してますよ?…でも、たまに…何考えているか分からないことがあります』
リヴァイはついこの間の自分のことを思い出す。
リサを欲しているのに、触れるだけ触れて抱かない。自分の欲求の我儘に付き合わせていることを。
『俺がお前を抱くつもりがなくなったことか?』
リヴァイの台詞にリサは顔を赤らめる。
『あ、えっと…その…。身体はたくさん触ってもらって満足はしてるかもしれません…でも、その…』
―――繋がりたいんです。
消え入りそうな声で呟く。
顔を真っ赤にしながらリサに言われて理性を保てる男はいるのだろうか。
繋がりたいなんて直接的な言葉にリヴァイは自分の身体が熱くなるのを感じた。
『ったく…、そんな誘い方どこで学ぶんだ…』
『す、すみません…』
謝るんじゃねぇ…とリヴァイはまた口付けをする。
リサの舌を探すように口内をあさり、柔らかな舌を見つけると絡ませる。
『ん…っ、はぁっ…』
少し息苦しそうなリサの唇から離れると、どちらかのか分からない糸がリサの口元から垂れる。
キスだけで気持ちよくなりすぎたリサは蕩けた顔をしている。
『はっ…なんて、顔をしてんだ。もっと触ってくれって顔だな』