第11章 伝言と怯弱
『リサと会えない間もずっと兄貴はリサのこと気にかけてし、リサも会いたいって思ってたんだろ?つまりはそういうことなんじゃねぇのか?』
下におりたリサの傍に立体機動装置でおりる。
『イザベルは凄いよね。うん、でもやっぱ尊敬だよ』
『ちぇー、頑固者!俺、動物好きだからか気持ちを読み取るの得意なんだ。あんま認めたくないけど一応女同士だし話ぐらい聞けるぜ!』
『…ありがとう、イザベル。私、掃除も裁縫も料理も好きって認めてるけど、異性相手にそういう感情を持った経験があまりなくてね…。リヴァイさんが素敵過ぎて自分に自信がないかな』
目の前に立つイザベルはアクロバットに飛び回って髪の毛が乱れていた。
それに気づいたリサは直すね、とイザベルの髪に手を伸ばし綺麗な赤毛の2つ結びを結い直す。
手櫛で優しく毛を集め直すとイザベルは嬉しそうに笑った。
『こんなに美人で優しくて器用な女の子なんて、俺が男ならすぐ好きになるぜ!』
クスクスと笑いながらリサはありがとうとお礼を言った。
『そうだ、イザベル。気になってたんだけど、リヴァイさん達の仕事って今回もやっぱり盗難…?』
無関係な自分が聞いていいものかリサは迷いながらイザベルに聞く。
『あー、今回はちょっと違うぜ。ごめん、依頼主からの要望で内容は言えないんだ』
『あ、ううん!私こそ関係ないのにごめんね!』
少し悲しげに言うリサにイザベルは何かを言い我慢するかのように口をつぐむ。
『ほんと、ごめんな。リサさ、ここ数日間で誰か家に来たりした?』
『……、それ前にもリヴァイさんに聞かれたことあるよ。私に会いに来る人はイザベル達だけだから』
リサは照れくさそうに自分の頬を指で触った。
『…そっか!今日は久しぶりに立体機動装置使ってリサも疲れだろ!また続きは明日にして帰ろうぜ!』
帰りは競走だぁ!とイザベルは先に駆け出すとリサも笑いながら駆け出した。
『(リサ、俺が人の気持ち読み取るの得意って言ったのになぁ…。人は嘘をつく時、頬に触る仕草があるから…これは…兄貴に報告だぜ。リサ、ごめんな)』