第11章 伝言と怯弱
『リサ、兄貴の伝言の意味伝わった?』
軽く準備運動をしながらイザベルは言う。
『ん?立体機動装置が壊れるってことは私が落ちたりして壊すってことでしょ?リヴァイさん、私に怪我をするなって伝えたかったと思ったんだけど。。』
『すげー!よく分かったな!リヴァイの兄貴の言い方をそのまま受け取ってしまう仲間がいっぱいいるから、兄貴よく怖がられるんだよなぁ』
無愛想に言われると確かに、とリサは苦笑いをする。リサも最初はそうかと思ったが、リヴァイの根が優しい部分を考えると自分を心配していることに理解した。
『早く…リヴァイさんに会いたいなぁ』
『リサはすっげー兄貴が好きだよな!』
お先~とイザベルはそのまま楽しそうに立体機動装置に移る。一気に沸騰したリサは動揺しつつイザベルの後を追った。
『イザベル!待って!ちょっと、どーいうこと?!』
『え~?俺、頭悪いかもしんねぇけどそーいうのは直感ですぐ分かるからな~!リサ、数日空いてたのに立体機動装置の扱い上手い!回数こなしたら俺以上かもなぁ!』
目の前の大きな柱にアンカーを突き刺し大きく回転をする。リサはさすがにまだ無理と判断して、柱に捕まるように身体を止めた。
イザベルの立体機動装置は何かのショーのようなアクロバット感がある。
『さすがにイザベルみたいには出来ないよ。それに…リヴァイさんのことはすごく尊敬してるけど、そんな好きとか…』
リサはゆっくりとロープをおろし下に降りる。
足枷のようなものが口についているのか認めにくい。
大事に思ってくれている事が分かっただけでも十分だと思いたかった。
リヴァイは行動力も判断力あり、いつか必ず地上に上がるのはリサじゃなくても分かる。
自分の気持ちがハッキリしたとしても、リサにはどうすることも出来ない。