第54章 鳥と花
『調査兵団って·····凄いですね』
『おいおい、変な憧れはやめてくれ。お前はミッシェル家の跡継ぎなんだから兵士になるとか言うなよ?』
『ふふっ、私が兵士になれるわけないじゃないですか。でも、そうですね·····何かサポート出来るようになればいいなぁって思います』
『調査兵団のか?周りの反感買うだけだから止めとけ。リサがしんどい思いするだけだぞ』
町の人達は口々に税金の無駄だの、命を捨てるだけだとぼやいていた。
闘志漲る兵士に掛ける言葉ではないはずだとリサは口の中に入ったパンを咀嚼する。
調査兵団の存在は耳にしたことがあるくらいで実際どんな事をしているかなんてあまり知らない。ただ、壁外で巨人と戦っているぐらいの誰でも知っているような知識程度。
それでも誰でも出来ることではないし、立体機動装置を使って巨人を討伐するなんてリサには想像がつかない。
通常飛行ならリサも何度もしたが、武器を持って立ち向かうなど想像を超える。
『リヴァイさんだったら普通にこなしてる想像しか出来ない』
颯爽と風を切り、舞う姿なら容易に想像出来てしまう。
『だから、俺はやらねぇ』
『ですよねぇ。リヴァイさんがやりたくない事をやるのってよっぽどの理由がないとしなさそうですもん』
『お前の夜の相手ならいくらでもするぞ』
『も、もうっ!でも、もしですよ?もしそんな日が来たら私は·····』
──影でリヴァイさんを支えますね