第54章 鳥と花
『ただいまー!!イザベル!ファーランさん!』
『リサー!!おかえり!!なんか、日に焼けたな!』
『え、ほんと?!たくさんお日様浴びたからかなぁ。今度はイザベルも一緒に行こう!』
手を取り合ってキャッキャとはしゃぐリサとは反対にリヴァイは両手いっぱいの土産を持ったままアジト前で佇む。アーヴェンにあれこれと持たされたものやリサが個人的に欲しいと強請った裁縫の糸や布。
ファーランはリヴァイの肩をぽんと叩き、さり気なくリヴァイからいくつか荷物を取り代わりに担ぐ。
いい刺激を得た2人の肌は血行がよく、地下にいる時よりも生気がある。
『リサ、楽しかったか?』
『はいっ!父にも会えましたし、とても空は綺麗でした!ファーランさんも今度は是非一緒に!』
『ははっ、そうだな。いつか皆で行こう』
リサは2人にお土産があるんですー!と荷物からお土産を渡して行く。
これはイザベル、こっちはファーランさん!と楽しそうに配るリサにリサを除いた三人は微笑ましくリサを見ていた。
仕事は少し押してしまったがリサを連れて行って良かった。
そんな風に思う三人だった。
『リヴァイも楽しかったか?眉間のシワも薄くなったんじゃないのか?』
揶揄うようにリヴァイを見下ろせば、リヴァイはファーランの太腿の裏を蹴った。
正直、リヴァイは少し心配していた。
地上の良い所ばかりを見せたせいで地下に戻りたくないとリサが言うのではないかと。
あっさり地下街で待っている2人にお土産を買うと言ったときはリヴァイの心配は杞憂に終わった。
『あいつを窃盗団の仲間にしないと言ったのに傍に置きたがる俺もケツの青いガキってことだな』
──いつかは俺の気持ちもあいつに
『リヴァイさんも!!買ってきた茶葉でお茶にしましょ!』
屈託のない笑顔のリサがリヴァイに手を振る。
『あぁ』
──お前は·····俺たちの花だ