第7章 縮めてはいけない距離
『そう思ってるなら……あんま深入りするなよ。また巻き込みかねないからな』
『――あぁ、分かってる。リサたちを呼びに行ってくる。もう準備も終わってるだろう』
ファーランはリヴァイの肩に手を置くと、軽く払うようにリヴァイはリサの元へ歩いて行った。
『…もう、手遅れな気がするけどね。…はぁ、人の事言えないな』
松明から離れて少し暗くなったリヴァイの背中を見てファーランは複雑な心境になった。
『リサ!やっぱすげー!!なぁ!兄貴!』
『や、結構つらいかも!!』
装着したベルトと、リヴァイ達が設置した装着を繋ぎ合わせファーランがロープを引っ張り器具に固定する。
ギギッと軋む音がするとゆっくりリサは地面から足が離れる。
一瞬身体はぐらついたが、手や足でバランスを取ると真っ直ぐの状態を保つことができた。
『初めてにしては上出来だな。身体も安定している。イザベルが初めてやったときはひっくり返って、ロープが絡まっていたからな』
『リヴァイさん!笑わせないでください!あ~揺れる揺れる!』
『兄貴ひでぇ!人の失敗を暴露するなよ~』
リサはついに吹き出してしまい、その反動でひっくり返りそうになる。
『『危ねぇ!!』』
リヴァイとファーランが同時に声を上げる。
『あ、すみません。。ありがとうございます、ファーランさん』
顔面から倒れそうになるところをファーランの胸に飛び込む形になり顔が近距離になる。
目が合った二人は思わず顔が赤くなった。
『だ、大丈夫だったか?リサ、俺の身体で顔打ってないか?』
『顔は大丈夫です。私こそ思いっきり体重かけて倒れちゃってすみません…』
気にしないでね、とファーランはリサの腕を掴み真っ直ぐの状態に戻してあげる。
ファーランは膝を付いてしまっていたリサの脚を軽く手ではたいて土を落とす。
『ファーランさん、ありがとうございます。…リ、リヴァイさん?どうしました?』
起き上がった後にリヴァイを見ると三白眼が少し鋭くなっていてリサは身体がビクッとなった。