第7章 縮めてはいけない距離
リヴァイは無言でリサに近付きロープとベルトを離す。
『一旦休憩だ。リサが浮くことが出来るは確認した。次の段階に進めそうだから準備をしてくる。イザベル、リサの近くにいてやれ』
『お、おぅ!』
目が鋭いままイザベルを見た為、イザベルも一瞬臆する。リサは何も言えず静かに頷くだけ。
『リヴァイ、俺も手伝うよ』
『……あぁ』
無表情に言うファーランにリヴァイは眉間の皺を増やし先々と歩いて行った。
次はアンカーを飛ばす訓練をする為、トリガーのチェックをする。
洞窟に戻った二人は何も喋らずにトリガーのチェックの音だけが響く。
『ーーリヴァイ、何を怒ってるんだ?そんな目でリサを見るなよ。怖がってたぞ』
『あぁ?…何も怒ってねぇ』
『リサが倒れそうになって、たまたま近くにいた俺が支えることになったのが気にいらないんだろ?』
荒々しくトリガーを触っていた手が止まる。
『…違う。ファーラン、お前は特別近くにはいなかった。俺が行くよりもただお前のほうが早かっただけだ』
『さぁ…たまたま近かっただけだと思うぜ。さっ、チェックも終わったし行こうぜ』
苦笑いしながら立ち上がり軽く伸びをする。
リヴァイはリサが使うトリガーを強く握りながら、
『ファーラン、リサが好きなんだろ』
『ははっ!なんだよ、それ!そりゃ、リサは美人だし家事力あるし、良い子だと思うけどなぁ~』
『毎日共にしているからお前のことはよく分かっているつもりだ』
座っていたリヴァイは立ち上がりファーランの前に立つ。リヴァイはファーランと目を合わすとファーランの目は徐々に視線が合わなくなった。
『…そうかよ。じゃぁ、リヴァイはどうなんだよ。面倒なことが嫌いな癖にリサに世話焼いて、立体機動装置までやらせてさ!』
『俺は単にあいつ…リサを一人にさせたくないだけだ。こんな地下街でやりたい事が出来るなんて当たり前ではないからな』
『それだけか?…深入りするなとは言ったけどそれがリヴァイの本音なのか?そういう感情はないってことだな?』
『………あぁ』