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Blue Star【進撃の巨人:R18】

第51章 陽が指す方へ


高い高い空。
ゆったりと流れる雲。

「地上はなんて平和・・・なの」

リサは足を伸ばしてベンチに深く座り、空を見上げる。ポカポカ陽気とはよく言ったもので、暖かい日差しが心地よく瞼が重くなる。

クンッ・・・クンッ・・・

瞼が落ちそうで船を漕いでいると肩に違和感を感じるが、そのまま船を漕ぐ。

クンッ・・・


最後に肩がカクンッと揺らされ、リサはハッと目を開く。


「え・・・・・・?」


「あ、やべ・・・」

宝石に例えるなら翡翠。
そんな翡翠色をした大きな瞳の少年とリサは目が合う。

少年の手にはアーヴェンから貰った金貨袋が握られていた。

「それって・・・・・・もしかして・・・」

少年は金貨袋を両手で握り後ろずさりする。リサは暖かい陽気のあとで頭はイマイチ回っていないが、良い状況ではないことは理解していた。

「私の・・・お金?」

リサが立ち上がり、手を伸ばそうとする。


「エレン!!!こっち!!!」

「くそっ!!」

エレンと呼ばれた少年は反転すると、名前を呼ばれた黒髪の少女の方へ走って行く。
リサは自分の小さな鞄の中身を確認する。勘違いかもしれない。でも、あの少年の挙動不審さは紛れもない。事実、鞄の中身は1文もないのだ。

「ま、待って!!!それを持っていかないで!!」

リサは飛び跳ねるようにベンチから立ち上がると、瞳が翡翠色の少年と黒髪の少女の後を追う。


「うわっ!あの姉ちゃん追いかけてきた!!」
「当たり前。お金取られて普通な人いない。・・・エレン、私があの人を落とそうか?」
「ば、ばか!お前の1発は重いからあの姉ちゃん死ぬぞ!」
「じゃぁ、逃げるしかない。エレンがおばさんへのお土産のお金落とすから悪い」
「仕方ねぇだろ!!父さんにバレたら怒られるからこうするしかないっつーの!それに、シーナの住民なら無駄に金持ってるからいいんだ!」
「あの人・・・ほんとにシーナの人?その割には私たちとそんな変わらない服装だし・・・。追いかけてる顔が必死・・・」
「う”・・・じゃぁ、どーすんだよ!今更すみませんって返せねぇって・・・」
「やっぱ、ここは私が・・・」
「だから止めろって!!」



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