第7章 縮めてはいけない距離
『二人共遅い!兄貴朝早くから行ったのにもう昼前になってる!』
『まぁまぁイザベル。ナニしてたのか分からないけどナニかしてたんだろ』
ファーランはリサとリヴァイを交互に見てわざとらしく強調して喋る。
『まぁ、何かはしてたな』
『…ちょっ!!リヴァイさん!!』
『は?マジかよ…』
『ファーランさん!本当に違いますからね!』
顔を真っ赤にしてリヴァイの袖を引っ張る。
心配していた内容がすぐに出てしまいリサは冷や汗をかく。
イザベルは意味がわからねぇと慌てるリサを見て呟いた。
『んじゃ、行きますか!』
『おー!!』
ファーランとイザベルも立体機動装置を付ける。
リサはまたリヴァイの背中に乗らせてもらった。今度は変な手付きをする様子がなくリサは少し安心する。
『この先に立体機動装置の訓練に適した場所がある。その場所まで行くぞ。リサ、すでに訓練が始まってると考えながら掴まってろ。…一気に行く!』
リヴァイが先頭に飛び立つと後の二人も追うように飛び立った。
『リヴァイさん…今のは本気で飛びました?』
『本気の本気じゃない。リサ背負ってるからな。でも、スピードは出した方だ』
目的地に付いた4人は立体機動装置を解除すると歩きだす。先が見えない大きめの洞穴の入口に松明があり、ファーランは持っていた着火剤で火をつける。
火のついた松明をイザベルに渡すと洞窟の入り口の端々に引っ掛けるようにして設置する。真っ暗闇の洞窟が少し明るくなった。
『兄貴結構飛ばしてたぜ?』
『ここに来る前から訓練だと思えとかリヴァイは無茶だよ。リサ怖くなったんじゃないのか?』
『んー、それがなんかもう慣れましたね!リヴァイさんの背中にいるとおこがましくも自分が操作しているような錯覚でした!』
『マジかよ。俺は始めてリヴァイと飛んだ時早すぎてびびったぜ!』
『おい、お喋りにきたんじゃねぇんだ。ファーランとイザベル、早急に用意しろ』