第49章 通行証と髪留め
その頃。
リサはイザベルを自分の部屋に連れて帰り、少しずつ確認を取りながらケアをしていく。
先に不快感でしかないだろうと思い、シャワーを浴びることにする。リサは袖と裾を捲り、イザベルに服を脱がしていいか確認を取ると小さく頷いたので、優しくゆっくりと脱がす。
幼さが残る体にはいくつもの痣や痕が残っている。
痛々しく、目を瞑りたくなるが辛いのはイザベルの方だと自分に言い聞かせ、再び服に手をかける。
ショーツも鮮血が付いていて、リサは認めたくなくてもそれは確信となった。
───イザベル・・・犯された・・・のね
誰かも分からぬ相手に沸々と怒りが混み上がる。
今は感情をむき出しにしている場合ではない、と深呼吸をした。
『どこか沁みたら・・・言ってね?体・・・洗うから』
イザベルは小さく頷いた。
温かい湯を柔らかくかけてあげる。撫でるようにリサは優しく流していった。
絶対滲みているような傷でもイザベルは何も言わない。リサはそこには触れないように気をつけた。
イザベルの腹を洗おうとすると、白い塊が固まったあとがある。一瞬嘔吐感が混み上がるが、ぐっと堪えて洗い流す。
腹部を洗っているとリサはある事を思い、青ざめる。
────もしかして・・・中出しされているんじゃ・・・
数人で襲われたならその可能性がある。
避妊薬を今すぐ買いに行けるわけではない。
望まない妊娠だけは避けたい。
リサは意を決して問う。
『イザベル、あのね。言いたくないだろうし、思い出させてしまうかもしれない・・・けど、重要なことだから・・・教えてほしい』
俯いていたイザベルと目が合う。
『・・・・・・中で・・・出された?』
『!!!!・・・・・・くそっ!くそっ!ちきしょー!』
大きな瞳から涙がポロポロと零れる。
それは肯定ということ。
『ちきしょー・・・アイツら・・・許さねぇ・・・うわぁぁ!』
イザベルは震えながら自分の膣に指を突っ込み、中のものを掻き出そうとしていた。
『イザベル・・・!!だめっ、そんな乱暴にしたら傷がついちゃう!!』