第47章 ファーストコンタクト
『っと!リヴァイさん、ありがとうございました』
『・・・はずだ』
『はい?』
暫く飛んだ後、リヴァイはリサを屋根の上に下ろす。このまま帰っても良かったが、リサの立体機動装置をそのまま置いてきているのもあり、帰るという選択肢はストップする。
リサは終始機嫌が悪そうなリヴァイの袖を掴む。
『危険なことをするなと言ったはずだ。あんな所に隠れて震えて・・・』
『ごめんなさい・・・』
『・・・素直に謝るところはお前の良い所だが・・・リサあの男は何者なんだ?』
リサから微かに香るウッディノートの香りが鼻を掠め、リヴァイはモヤモヤとしたままリサに尋ねる。
『秘密の調査をする探偵さん・・・みたいな』
『は?胡散臭い野郎だな・・・。もうリサも関わるな、嫌な気がする』
エルヴィンと直接話をしたリサは柔らかい物腰であり、知識が豊富そうな話し方のエルヴィンが悪い人ではないと思う。
勘の当たるリヴァイの嫌な気がするというのは引っかかるが、リヴァイがいうならそうしようと静かに頷いた。
『あの男とリサの約束はこれで終わったわけだな。リサの立体機動装置を回収したらさっさと帰るぞ。・・・俺は疲れた』
『え!?そ、それなら先に戻ってください!』
『ここにお前を放置して帰るのか・・・?』
あ・・・とリサは今屋根の上にいることを思い出す。
『放置して欲しいならあとで”放置”してやるから、ほら・・・さっさと行くぞ!』
『・・・?あ!リヴァイさん・・・・・・芋も・・・』
『リサはしっかりしてるな・・・。またファーランと取りに行くから。今日はさっさと帰るぞ!』
リサの髪をクシャッと撫でると、リヴァイはリサを再び抱え立体機動装置を回収に向かった。