第47章 ファーストコンタクト
『・・・あぁ、こいつが・・・か・・・』
リヴァイは小さく呟くとフードを深く被る。
『おい!どこに連れていく気だ?!手荒なことをしたくない!彼女を離せ!』
エルヴィンは声を荒らげる。リヴァイはフードの隙間からエルヴィンを睨むが、エルヴィンからはきっとリヴァイが見えていない。
『ま、待って!!私なら、大丈夫です!この人は・・・』
やけに落ち着いているリサにエルヴィンも落ち着こうと鼻から息を吸って口から吐いた。
背格好から女のような小柄さであり、女憲兵かと思いきやリサを軽々と抱えている様子から男とだと判断する。
リサの大丈夫という目を見ると脅されていたり、怯えているものでは無い。
心からの大丈夫という言葉。
『そうか・・・。そいつがリサの言っていた彼か』
『・・・・・・?』
リヴァイは声を出さずにリサを見下ろすと、リサは気まずそうに苦笑いしている。
『その男が彼なら心配なさそうだな・・・。リサ、彼に危害は加えないよ。それから2人とも窓から離れなさい。落ちたら危険だろ?』
暫くは憲兵は来ないはずだとエルヴィンは自分が入ってきた扉が通れるように退いてくれる。
しかし、リサを抱えたままリヴァイは微動だにしない。
『リヴァイさん?』
こそっとリヴァイの名を呼ぶ。
『リサ。しっかり俺に抱きついていろ』
リヴァイは窓に足をかけると、勢いよく飛び降りた。
『き、君何を!!!?リサ!!』
エルヴィンは目を見開き、窓に駆け寄る。
ガッッ!!!ギュルギュル・・・!!
『こ、この音は?!』
『エルヴィンさーーん!!!ありがとうございましたーー!!私のアレ宜しくお願いしまーーす!!』
立体機動で移動するリヴァイに担がれ、ニコニコとした笑顔で手を振るリサ。
どんどん小さくなる2人の姿にエルヴィンは豆鉄砲を食らったように口が開いていた。
『あれは立体機動装置・・・・・?!。ははっ、これはいいモノを見つけた・・・はは・・・はははっ!』
窓に散らばる破片で血が滲む怪我をしたことにも気づかないエルヴィンは、いつまでも2人の姿をみていた。