第47章 ファーストコンタクト
『な、なんでココにいるんですか・・・』
胸に顔を埋め、リサは涙を流す。
リヴァイが何故ここにいるのか。
リヴァイか来てくれて嬉しい。
そんな感情がぐるぐると巡る。
『憲兵がこの建物に入るのを見たという仲間がいた。腕の立つらしい男といるとはいえ、やっぱ信用ならねぇ。案の定、リサをこんなとこに閉じ込めてそいつだけ逃げたんだろ・・・胸糞悪ぃ』
『そ、そうじゃないんです!』
涙を溜めた顔を上げてリヴァイを見る。こめかみに血管が浮き出ているような表情にリサは喉が鳴る。
リサは何があったのかを簡単に説明した。
『・・・事情はわかった。自ら飛び込むぐらいのやつなら自分の力量が分かってのことだろ。リサの反物はそいつに任せ、俺とファーランで後日取りに行く。・・・・・・憲兵がいない今のうちに行くぞ』
サッとリサの服を直し、手を引き窓のほうへ向かう。
リヴァイはバリバリと割れた窓ガラスの上を無造作に歩きだす。
『ま、待ってください!!あの方が私の為に立ち向かって行ってるのに私だけ逃げるなんて・・・』
『・・・放っておけ。そいつなら大丈夫だろ、そんな気がする。おい、フードしっかり被ってろよ・・・建物外にも憲兵はいるからな』
でも・・・と窓とドアを交互に目配せして戸惑っているリサに、リヴァイは溜息をつきながら腰に手を回す。反対の手は立体機動装置のトリガーを握っている。
『ま、待ってください!せ、せめてお礼だけでも・・・』
『そんな時間はねぇ。俺にとっての優先順位はお前だ。他の奴らに構ってられるか』
段々とリヴァイの声のトーンが低くなる。リサはリヴァイが苛立ちを覚えてるのが分かり、抵抗する力が弱まった。
『・・・・・・さっさと離れるぞ』
リヴァイがリサを抱える。
『リサ!!悲鳴が聞こえたが大丈夫か?!』
滑り込むように部屋に入ってきたのは、息を切らしながら黒いコートに身を包んだエルヴィンだった。