• テキストサイズ

Blue Star【進撃の巨人:R18】

第46章 金色の鍵


『・・・・・・同じ兵士として情けない限りだ』



『エルヴィンさん、何か言いました?』



『いや、何でもない。あの反物は君の物で間違いないかな?』

『はい。でも、私のせいで形見がこんなことになってしまいました。・・・・・・やっと見つけれたのに』


諦めたくないけど、諦めてしまわなければならない。

目的の物、エルヴィンの探していた書類は見つかり、後はここを無事に出るだけでいい。

このままやり過ごしていれば、あの憲兵はそのうち去って行く。

また、探せばいい。
これ以上エルヴィンに迷惑をかけられないと。


『また、探します。あの人たちがいなくなるまでもう少しだけ、隠れていましょうか・・・』


『リサ、後悔のないようにしなさい』


え?と狭い空間で密着しているエルヴィンを見上げる。


『後悔してからでは遅い事もある。大事なものなら手放してはいけないよ?私が力を貸そう』

『な、何をするんですか?』

『私が彼らからあの反物を奪い返してくる。リサが心配しなくてもそんな手間取らないよ。少し物音がするかもしれないが・・・静かになったらここから出なさい。私が戻ってこなくても反物はわかる場所に置いておく』

『だ、駄目ですよ!危険です!』


狭い空間ではあるが、リサはエルヴィンの服を掴み首を横に振る。


エルヴィンが腕の立つ人、力があるというのはリサが前に襲われた時に知っている。
しかし、リサは自分を庇って怪我をする人はもう見たくない。

リサは自分を庇って足を怪我したリヴァイを思い出す。2人で憲兵から逃げる時に地上から銃で撃たれた。



──リヴァイさん!!!



しかし、あの時はかすり傷で済んだ。
そして代わりにリヴァイに贈ったプレゼントはその時に失ったのだ。


エルヴィンがかすり傷で済むとは限らない。


リサはエルヴィンの服を掴む力を強める。



『リサ』



掴む腕にエルヴィンの手が添えられる。



『君は優しい女性だな。・・・あとは私に任せなさい。大丈夫だ、何も心配はいらない。リサ、少しの間だったが楽しい時間だった』



フードはしっかり被ってジッしていなさい。と、優しく笑うとエルヴィンは飛び出して行った。



────エルヴィンさん!!
/ 353ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp