第41章 父と母
『ディック様とリリー様は大事に愛を育み、婚約をされ、暫くするとリリー様は妊娠されました。それがリサ様です』
リサは嬉しくて笑顔でリヴァイを見ると、リヴァイも温かい気持ちになる。
『お2人は婚約をしたこと、そして妊娠されたことをクララ様にご報告に行きました。しかし・・・』
─────娼館にいた女はミッシェル家に相応しくない!
─────ディックも目が覚めるまで放っておくつもりだったが、結婚なんてとんでもない!
─────子ども?!ほんとにディックの子なの?!どっかの男の子どもなんじゃないのかい?!財産目当てか!
『・・・・・・嘘』
リサは口を押さえ、アーヴェンから出される言葉に耳を疑う。リヴァイは何か悟ったように目を瞑り腕を組んでいた。
リサはクララ・・・おばあちゃんを思い出す。
「リサ、女は家事や料理が出来ないといけないよ。おばあちゃんがきちんと教えてあげるから安心しなさい」
「慣れないうちは怪我をするものよ。ほら、指の怪我の手当てをしましょう」
「リサ!おばあちゃんの為に体を売るのを止めておくれ!」
「いいかい?誰かに姓を聞かれても教えちゃいけいよ?悪ーい人がくるかもしれないからね」
「リサ、愛する人たちを大切にしなさい。あなたに信じる愛を・・・幸福な愛を・・・・・・・・・・・・私が培ってきた全てをあなたに託します。あなたならやれるわ。私の花はあなたが守って」
――――リサ・・・私を許しておくれ
『リサ・・・大丈夫か?』
『あ・・・すみません。えぇ、大丈夫です』
リヴァイに手を握られリサは意識を元に戻す。
アーヴェンはリサの心が付いていけるように、リサのペースに合わせる。
『リサ様・・・』
『アーヴェンさん、お話を続けてください』