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Blue Star【進撃の巨人:R18】

第38章 リーダーとフラグ


おいくら必要ですか?と近づくリサに男はたじたじになる。本気で少ないと思った訳ではなく、もう少し要求したらどうなるか・・・ぐらいの気持ちだった。

申し訳なさそうにしているリサを見て男はピンとくる。


『あ・・・えっとリサちゃんがそう言ってくれるなら・・・』

リサの財布のがま口がパチンと開く。

『やー・・・お金じゃなくて・・・1回ヤラせ・・・』



ヒュンッ!!



『え?』『え?』


リサと男は声が重なる。


リサの目の前にいた仲間の男の真横に、リヴァイがさっきまで磨いていたナイフが壁に刺さっていた。
無傷なリサに比べ、男の頬は僅かに血が滲む。


『よかったな。窃盗団の仲間だからな、これで聞かなかったことにしてやる』

『あ、あ・・・』

鋭い銀の刃を横目で泡を吹きそうになる。
突き刺さったナイフの回収に壁の前にリヴァイは立つ。
ずり落ちそうな男の耳元で何か囁くと、ひいっ!と白目を向き仰向きに気絶した。


『ちょっ!!だ、大丈夫ですか!!』

『・・・・・・こいつが悪いからほっとけ』

静かに首を横に振りながらファーランはリサを阻止し、ため息をついた。

『リヴァイさん・・・何を言ったのでしょう・・・』

リヴァイはフンっと鼻を鳴らすとナイフを抜き、またナイフを磨きにソファへ戻る。

『リサ、お前は愛想いいのはいいが程々にしとけ。良からぬ事を考えてるやつもいるからな』

『わ、私のせいですか?!』

交互にリヴァイとファーランを見ると、ファーランは困ったように頷く。
リヴァイは未だに気に食わない顔をしてナイフを磨く。

『ここは女の子より男が多いんだよ。窃盗団でイザベルみたいな子もいるけど、女の子は稀だからね。男ばかりでむさい中に、リサのような存在は皆の花なんだ』

『ファーランさん・・・私が花だなんて・・・ただ、身の回りのお世話したり・・・掃除したり・・・たまにお話したりぐらいですよ?』

今さっき倒れた男に最近よく話し掛けられるのは自覚していたが、そんなやましい雰囲気はなかったし、何なら手伝ってくれることもあった。
リヴァイに何を言われたのか分からないが、気を失う程なのは不憫である。



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