第34章 襲い掛かる手
『この空き家に連れて入れ。女・・・騒ぐと殺す』
懐からナイフを取り出すとリサの鼻先に近づけた。
リサは青ざめて口を閉ざすと、連れの男がリサの口に布をあてきつく結ぶ。
『んぐっ・・・』
───リヴァイさん、ごめんなさい。また巻き込まれちゃった・・・
リサはあてがれた布に歯をくい込ませ、自分の安易な行為に後悔した。
『んんっ!!』
オレグの娼館に連れ込まれたリサは、エントランスに置かれたソファに押され倒れ込む。
手や足を縛られ受け身が取れない体は起き上がれず、スプリングしたのち仰向けになった。
誰もいない娼館は薄暗く、掃除の行き届いてないソファの埃っぽさがまた気持ち悪さを増す。
『へへっ・・・久しぶりの女だ・・・。この間触ったケツが柔らかくて良かったんだよなぁ・・・』
『んー!!(やっぱり触ってたのね!!!)』
『何言ってんのかさーっぱり聞こえねぇなぁ!こんな時にまで睨みつけやがって、気の強ぇ女だ』
『キーランドさん、さっさとヤッちまいましよ!俺、楽しくなってきやした!!』
連れの男は自分の下半身を服の上から擦る。
リサは全身に鳥肌が立った。
『ははっ!女、大人しくしてりゃ・・・善い思いさせてやるからな~。恨むなら俺の額に傷つけたチビ野郎を恨め・・・』
『んんーー!!』
『じっとしてろ!』
薄汚れた手がリサに近づく。
リサは体が動けるだけ動かして抵抗してみるが、寝返りの赤子程度しか動けず、連れの男に肩を押さえられてしまった。
『ほーら、1つずつボタンが外れていくぜぇ・・・・・。』
羞恥心を煽るようにキーランドはリサのブラウスのボタンを外す。いっその事引きちぎってもらった方がマシなぐらいリサは惨めだった。
肩を押さえてる男は口が半開きで、ハァハァとリサの胸元を眺めている。
『(やだっ・・・やだっ・・・!!)』