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Blue Star【進撃の巨人:R18】

第34章 襲い掛かる手


『お幸せに・・・ローザさん』

人差し指でスっと目尻を拭う。

恋敵から友達。不思議な2人の出会いは離れていても続く。いつかリサも地上で住むことになれば手紙を出そうと、いつかの未来を楽しみにする。


『立体機動装置外したばかりだし、少し・・・見てみようかな』

手を後ろに組んで高い建物を見上げる。

目の前のオレグの娼館。

リサはずっと気になっていたことがあった。それはおばあちゃんが渡してくれた反物のこと。もしかしたら館内のどこかに残っているかもしれない。
憲兵団に押収されている可能性もあったが確認したかった。



───すぐ帰れ。お前はすぐ巻き込まれるからな。



リヴァイの言葉を思い出す。


『まさか、こんなすぐに何か起きるわけないよね。リヴァイさんが過保護なだけよ。サッと見てから戻れば大丈夫!!』

悪い事をしてるわけではないのに、どこか後ろめたい。
大丈夫・・・大丈夫・・・と、ゆっくりとオレグの娼館に近づく。






『あっれーー??何処かで見た顔だと思ったら・・・あの時の女じゃねぇか!!』



もう少しで扉の前というところで、思い出したくない男に見つかってしまった。



『あの時以来だなぁ?あの男のせいで、ほら見ろよ!イケてる顔が台無しだ!!』


ずかずかと近寄ってきた男はリサの目の前で自分の額を見せる。連れていた他の男も後からリサに近づくとニヤニヤとしていた。

リサはちらっと男の額を見るとぱっくりと割れた跡がある。大きな体に見下ろされ、リサは恐怖で声が出ない。

『キーランドさんの顔に傷つけたのは運の尽きだったなぁ』

『だろ?この女はきっとあのチビ野郎の女だ!あぁ・・・良いことを思いついたぞ・・・』

キーランドと呼ばれた大柄な男は連れていた男の肩を組むと、ははは!と笑った。

『な・・・何・・・』

『あの時の金を奪われてなぁ~、色々困ってんだよ。女も暫く味わってねぇし・・・丁度いいのがいたわ』

─────!!??


肩を組んでいたキーランドは連れの男に顎で合図をすると、リサの腕を掴む。


『いたっ!!・・・離して!!いやっ!!!誰か・・・』

通り過ぎる人は疎らにいるが、見て見ぬふりをする。

『暴れんな!!・・・いい所に、空き家が目の前にあるな』
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