第33章 シュシュとお見送り
リサとリヴァイがローザの所へ行く数日前。
リサ宛に手紙が届いた。
手紙を届けてくれたのはこの間の新聞の件の男の子。ファーランに注意を受けたのかかなり謝られたが、リサは気にしないで、と男の子から手紙を受け取ると、すぐに他の配達があるからと頭を下げながら走って行った。
『ほんとにいいのに。手紙・・・私宛だなんて・・・珍しい。誰からだろ?』
部屋に戻ると、あるかなぁとペーパーナイフを探す。部屋の物はリヴァイが全て用意してくれているとはいえ、手紙のやりとりをするような相手がいない。そんな自分の為にペーパーナイフ用意してるのかな?とありそうな引き出しを引っ張る。
『・・・・・・さすがです』
用意周到なリヴァイに感動しながらペーパーナイフを取り出すと丁寧に封を切る。
すると、封筒の中からふわっと嗅いだことのある香水の香りがした。
『ローザさん・・・?』
中に入っている便箋を取り出すと香りが一層強くなる。
「私が地上に行く日が決まったから一応教えてあげる。来ないと思うけど、私が去った後に店に来られても店が困るだけだから!・・・リサ、元気で。 ローザ」
綺麗な便箋の真ん中に去る日の日付と4列ほどしか手紙は書かれていなかった。リサはリヴァイ宛ではなく、自分宛に届いたことが嬉しかった。
『ふふっ!お見送りに行こう!!』
リサは便箋を優しく封筒にしまうとリヴァイの元へと走って行った。
『まさかローザがリサに手紙を送るとはな・・・。あいつも仕事柄、友達ってやつがいなかったんだろ。それがリサが友達とか言うから嬉しかったんだろうな』
『友達って認められたんですかね?色々あって最初は苦手でしたけど、話していたら違うって思ったんです』
『そうか。女同士はわかんねぇな。それにしても立体機動装置で行くとはリサは大胆じゃねぇか』
『新聞の記事があってから立体機動装置は控えた方がいいと思ったんですけど、だって皆さん・・・普通に使ってますもん!』
『・・・・・・仕事だからな。心配してくれるのはありがてぇよ』
もぅいいですよ~と拗ねるようにリサはガスを吹かせて先に行くと、リヴァイも後を追うようきガスを吹かせた。