第32章 君の為の約束
リサをソファに座らせるとリヴァイも横に座り、リサの腰を寄せる。
タオルで目を押さえているとはいえ、リサが落ち着きを取り戻すまでリヴァイはリサを優しく撫でた。
『リサ、ごめんな。俺たちが黙ってたから余計に悲しくさせてしまったな』
『い、いえ。ファーランさん達の優しさは嬉しいです。こんなにも優しい人たちばかりなのに・・・ほんと・・・ほんと・・・ひどいっ』
タオルをそっと外す。
『それに・・・皆さんは私のせいで・・・』
『リサ、そこまでだ』
リサが言い終わる前にリヴァイが言葉を重ねる。
それでもリサが喋ろうとすると、リヴァイは舌打ちをするとリサの頬をむにっとさせてリサの口を尖らせる。
『ん~~!!』
『お前は黙って聞け。いいか?誰もリサのせいだなんて思ってない。誰かを守る為にしたことを、リサは自分の非難をそいつのせいにするか・・・?』
『ん~っ!!ぷはっ!そんなことしないです!守りたくてしたんですからっ!・・・・・・あっ』
『・・・・・・そういう事だ』
リヴァイはリサの頬を撫でると優しい眼差しを送る。ファーランやイザベルも同じ気持ちだと言わんばかりにニッコリ笑っていて、それを見てるとまた泣きそうになるがリサは天井を見て涙を引っ込ませた。
『皆さん・・・ありがとう・・・。私、皆さんが大切で大好き!』
リサは感謝を伝えたくて笑顔で微笑む。目尻に溜まっていた1粒の涙だけ頬を伝った。
『リヴァイさん、1つ聞いていいですか?』
『何だ?』
『あの新聞を読む限り、立体機動装置のことが書いてありませんでした。立体機動装置を使っていたと書いてあればすぐに私達だとバレそうなのに、記事にはそんなこと1つも書かれてなくて・・・。いやっ!書いてない方がいいんですけどね!』
『あぁ、その事か。単に兵団側の圧力が新聞社にかかったんだろ。地下で立体機動装置が使われ、回収も出来てないのが世間に出回ったら杜撰な管理だと騒がれるからな。幸い、それがなかったから悠著にしてられる』