第30章 俺の手によって(●)
『ん~!おいしいっ!飲みやすい!』
『あぁ。この塩っけのある芋もうまいな』
細めに切った芋をリヴァイは摘んでパクパクと食べている。その姿が可愛くて、しかし可愛いなんて言うと機嫌が損ないそうなのでリサも同じように嬉しそうに芋を食べた。
時は夕刻。
しばらく楽しく飲んで食べてをしていると、リヴァイのいうようにアルコールが強めだったからか頬が赤くなる者も出てきた。
『リサ大丈夫か?普段あまり飲まないもんね』
『ファーランさん!大丈夫ですよ!美味しくて、幸せで楽しくて最高です!イザベル、寝ちゃったし残してる分私が貰いまーす』
手前に半分ほど残ったお酒のグラスを取ると、グイッと飲み干す。ファーランはあ~あ、と苦笑い。
『楽しそうで結構なことだが、ほどほどにしとけよ』
『はーい!リヴァイさーん!』
紅茶のお酒に興味があったリヴァイだが、最初の1杯以降いつものお酒を飲んでいた。
隣のリサがあまりにも美味しそうに飲むものだから、リサの為に置いておく為。それを見ていたファーランも同じようにいつものお酒を飲んでいる。
『リヴァイさん!おいしーですね!』
目を細めて笑い、陽気さが増して頬も少し赤いリサはとても可愛くてリヴァイは心から楽しく美味いと思い、リサの頬を指で摩ってみる。
『あ~リヴァイさんの指、気持ちいい~』
『『!!??』』
卑猥にも取れる発言にリヴァイとファーランはギョッとする。イザベルは相変わらず寝ているが、今度はイビキをかきだした。
『あ~あ・・・うちのお嬢達は大変だ。イビキ娘に酔っ払い娘。こいつ起きそうにないから、他の女の仲間のとこ行って着替えとかしてもらってくる。リヴァイはリサと待っててくれ』
『ああ、頼む。リサも飲みすぎてるからそろそろ止めようと思ってたところだ』
ファーランはよいしょとイザベルを抱き抱えると、後は頼んだよと出て行った。
『おい、リサ。そろそろ酒は止めろよ。残りはまた今度にするんだな』
残った酒瓶を持ち上げ、大事に抱えたまま酒置き場に戻すリヴァイを見送り、リサはえ~と項垂れた。
コトンと置かれた酒瓶を横目で見ると、リサは大事そうにグラスに残ったお酒を口に含んだ。