第4章 無自覚の鳥
リヴァイに頭の上に手を置かれ、そこから全身に熱をもつ。
足先まで赤みを帯びているようだった。
『お前が根性あるのは分かった。脅かすようなことして悪かった。だが、お前は俺らとは違う。盗みをする必要はない。必要なものがあれば用意はしてやる』
線を引かれてるようで、これ以上踏み込めない気がした。
用意はしてやるとはリヴァイなりの優しさなのはリサも理解する。
だけど、同じ立場にならないと分からないことがあるのも事実。
『おい、何を考えている。それに俺らとリサは今日初めて会ったところだ。お前が俺たちに固執するのは何故だ?』
『えー?それって、リサがアニキに、、ぐふっ!』
『え、なに?』
『あー、イザベル!立体機動装置のガスの補充してなかったよなぁ!ほら、行くぞ!』
口を押さえられたイザベルはバタバタと暴れながらファーランにまた連れて行かれる。
イザベルの足が当たって場所がズレた椅子を戻すリサ。
『騒がしいやつらだ。話が折られてしまったな』
『あ、あはは。。』
少し安堵する。
リヴァイは椅子から立ち上がり窓の方へ行き、
『おい、リサ。今日はもう帰れ。さすがに暗い』
顎でクイッと外を見るように促される。
朝の散歩に出掛けていたはずが、気付いたらこんな遅い時間になっていた。
太陽の僅かな光は何処にも見当たらない。
『こ、こんな時間まですみません!すぐ出ます!あ、二人にも挨拶してきます。』
『おいおいおい、待て。まさか1人でこんな暗闇にあの距離を戻る気か?イカれたやつに何されるか分からねぇ。...俺が送ってやる』
まさかの提案にリサは何も言えなかった。
確かに夜道は1人で出歩いたことはなく、僅かな明かりが家々にあるとはいえ恐怖だった。
立体機動装置付けてくるから待ってろと、急ぎ足で横切るリヴァイ。
心配してくれてるという嬉しさで蹲る。
隣の部屋
『リサを家まで送ってくる』
『さすがアニキだぜ!じゃぁ、俺も~』
『だから、空気読めよ。。お前は俺と留守番な!』
つまんねぇと嘆くイザベルにファーランは頭を撫でる。そんな様子に無言で立体機動装置を装着すると、あっという間に部屋を出た。
『なぁんか面白くなってきたな』
ファーランはニヤニヤとドアを見つめた。