第25章 出逢ってしまったから
『リサ?まだ具合がよくないのか?』
『あ…違うよ。うん、大丈夫…ありがとうイザベル』
一点を集中して見て思い出していたリサを心配するイザベルににこっと微笑む。
2回目にオレグに会った以降も乱暴なことはされず、金払いはいいまま気が向いたら来なさいというスタンス。
オレグ以外相手しなければいいし、オレグの言いつけさえ守っていればそんなに辛いことはなかった。
しかし、リサはリヴァイと出逢った。
オレグと会う回数は減っていく。
その間にリヴァイはリサを女として花開かせ、恋する女性に仕立てる。
オレグが狂気化し、リサをあんな目に合わせる程に。
あんな事になるとは思っていなかったがリサはオレグを裏切ったのかもしれないと思う。
オレグに対しては何も感情はないし、お付き合いをしていたわけではないが、待遇よくしてくれていただけに少し罪悪感が湧く。
狂気的に乱暴されていたのに、お人好し過ぎる自分にリサは自分に溜め息が出る。
でも…リサはリヴァイを選ぶ。
リサがリヴァイに恋をするのは時間が掛からなかった。
それはまたリヴァイも同じこと。
リヴァイ本人は気づいていないのか僅かながらに笑う時は、リサの胸を締め付ける。
『リヴァイさん』
『リサ、どうした?』
『何でもないです…すみません!』
『?…用がないのか。意味無く名前を呼ばれるのも悪くないな』
思わずリヴァイの名前を呟いてしまい、聞こえてしまっていたと思いリサは慌てた。
名前を呼ばれたリヴァイはそう言うと、僅かに嬉しそうにする。
――――リヴァイさん、そういうところです…!!
リサは左胸に手を置く。
リヴァイの為なら心臓を捧げれそうな気がした。