第24章 夜明け
一同は引き続きリヴァイの話に耳を傾ける。
いつの間にか自分の紅茶のカップに紅茶が継ぎ足され、ふとファーランを見るとティーポットを持っていてリサはニコッと微笑んだ。
『おい、リサ…聞いてるか?』
『…?聞いてますよ?それで、オレグ様はどうされたんです?』
『……もう、客じゃねえから様はつけるな』
あ…とリサは口を塞ぐ。つい癖で様と呼んでしまい、リヴァイの目が一瞬鋭くなった。
ファーランはまぁまぁと苦笑いをしながら、リヴァイの紅茶のカップに紅茶を注ぐ。
『……リサ、リヴァイに溺愛されてるな』
ファーランにこそっと耳打ちされ、リサは顔から湯気が出そうになった。
『あぁ?ファーラン何か言ったか?』
『何でもないって。さっ、続きを説明してくれ』
湯気が出てそうなリサを横目に腑に落ちないリヴァイは舌打ちをすると、話を続けた。
『オレグはその後ローザへの当てつけのように、店の目の前の娼館を買収してオーナーになった。縛りのない契約で手軽に大金が欲しい女や、興味本位でくる女で入れ替わりが多かった』
『ま、待ってください!縛りのない契約って……私、お金請求されまたよ?おばあちゃんが用意してくれた反物渡しました!』
思わずリサは立ち上がる。
『リサ、落ち着け。分かっている…。お前は特別だったんだ…』
『……特別…ですか?』
『気に入らねぇがな…オレグはな、リサのことを本気で惚れていた…』
立ち上がっていたリサはすとんと座った。