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Blue Star【進撃の巨人:R18】

第21章 翼の幻


―――さっきのは幻?予知?



リサは何度も瞬きするが、あの姿を見ることはなかった。



建物から颯爽とリヴァイは飛び降りる。
するとリサは建物のギリギリまで行きしゃがむ。

『リヴァイさん!で、出来たら人は殺さないで!』

『分かってる。身動き取れないようにするだけだ!』


初めてブレードを持ったとは思えないような軽やかな動きで憲兵に対抗する。
殺しはしていないが、血が飛び散る惨状に目を背けたくなるがリサはなんとか片目を開けて見届けた。



一通り一掃するとリヴァイは上に戻ってきた。
返り血が付いた顔に汚ぇと手の甲で拭く。


『あれぐらいの礼をしてやったんだ、追っては来ないだろうな』

『れ、礼ですか…。手厚いお礼でしたね…。今の間に次の地点に行きましょう!』

あぁ…とリヴァイは頷く。

2人はトリガーを引いて並んでアンカーを飛ばす。







バァァァン!!



1人の憲兵が仰向けに寝転びながら打ってきた。



『リサ!!!!』




咄嗟にリヴァイはリサに体当たりをした。




『リヴァイさん!!!』



リヴァイがリサに体当たりしたお陰で銃弾の軌道からズレたがリヴァイの太腿を掠めた。


『……っ!!何ともねぇ!掠っただけだ!行くぞ!』


『……リヴァイさん……あっ!!』


『―――!!!』



リヴァイのポケット縫合部が破け、しまっていたリサからのハンカチがひらひらと落ちていく。

それはまるで羽が落ちていくように、緑と赤の羽が見え隠れしていた。


リヴァイは舌打ちをすると取りに戻ろうとする。


『リヴァイさん!戻っては駄目!!ハンカチは後から探しましょ!今は…私と逃げて…』


『……わかった。アレはリサから貰った俺の宝だ。事が落ち着いたら探しに行く』


落ちていくハンカチを横目で見つめ、少し間を置くとリヴァイは真っ直ぐ飛び立つ。
さっきよりも小さくなったハンカチをリサは目に焼き付けるとリヴァイの後を追った。
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