第1章
「あはは、面白いリス君だね。君の友達?」
ジュリの反応が可笑しかったのか、クックッと笑いながらは絵麻を見た。はだけた胸元に、笑ったせいで少しだけピンク色に上気した頬が妙に艶かしくて、その姿に女である絵麻でさえ顔を赤くしてしまう。
「あの…、この子はジュリっていいます。私が小さい頃から一緒にいて…って、さんジュリの言っていることが分かるんですか?」
「むっ、そう言えばそうだな!私の言葉が分かるのはちぃと琉生だけのはずだが、貴様も分かるのか?」
「うん、はっきりとね。喋るリスなんて初めて会ったよ。不思議だなぁ。もっとおしゃべりしたいんだけど、とりあえず今はお風呂が先だ。さぁ、今日は疲れただろう?早く入ろう」
ぐいっと手を引かれて、その拍子に絵麻はの胸元に倒れこむ。ふわりとした女性的な柔らかさを感じて、改めてが女性であることを実感したが、顔をあげるとそこにあるのは美青年の顔なので絵麻は混乱してしまうのだった。
「えっと…あの…でも…」
いくら女性とは言っても、顔は完全に男性だ。そんな相手から一緒に入浴しようなどと言われては困ってしまう。