第1章
「すっ、すみませんっ、私よく確認もせずにっ」
突然のことに絵麻は思わず頬を染めて顔を背けた。くるっ、と背を向けて浴室を出ていこうとしたが、いつの間にか背後に迫ってきたに手を掴まれて、反射的に振り返った。そこにはニヤリといたずらっぽい笑みを浮かべたの顔があったが、どんな表情をしていても相変わらずキレイな顔である。
「待って。せっかくなんだから、一緒にお風呂入ろうよ」
「え、えぇっ?!」
唐突なの提案に、絵麻は驚いて声をあげる。絵麻の肩に乗っかっていたジュリも、すぐには反応できずにあんぐりと口を開いていたが、はっと我に返ると絵麻を守るようにしての前に立ちはだかった。
「何を言っている貴様!ちぃは女の子なんだから、貴様のようなオスと一緒に入浴できる訳なかろう!というかお前は誰だ!初めて見る顔だな?」
「俺は。大丈夫、俺も女の子だよ、リス君」
そう言うとは、着ていたワイシャツの胸元をチラリと開いて見せた。そこから覗く白い胸は間違いなく女性のもので、ジュリは唖然とすると同時に紳士らしく赤面して顔を逸らした。
「な、ななな、何をっ、いきなり見せるんだっ」