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【ブラコン】もう一人の妹

第1章  


「あの、なんで皆さん、さんのことを『兄さん』って呼ぶんですか?『姉さん』なんじゃ…」

「妹ちゃん、意外ときわどい部分につっこむねぇ。実ははね、中学に上がるまでは自分でも男だと思っていたんだよ。まぁ、上に7人も兄がいるもんだから、その影響ですっかりボーイッシュになっちゃってね。
 で、当の本人がそう思っていたくらいだから、弟達もずっとは男だと思っていてね。あぁ、あの時のと弟達の驚き様は、可愛かったなぁ…。っと、まあそんな感じで、すでに兄さん呼びが定着してしまっていて、今更呼び方を変えるのもむず痒い、ってことでそのままになっているんだよ。ねぇ、」

 と要が解説しながらの肩を抱き寄せた。が、間髪入れずにその長身は鮮やかに投げ飛ばされたのだった。は柔道の有段者なのか、格闘技の心得があるのか、兄弟達を投げ飛ばす手つきが非常に手馴れているように見えた。

「こんな感じだから、君みたいに甘やかさせてくれないんだ。妹というより弟みたいな感じでさ。だから、正確には違うんだけど、君が初めての妹みたいに感じちゃうんだよね」

 最終的な総括は、雅臣が引き継いだのだった。さすがは長男である。


 新たなきょうだいの存在を知って驚いた絵麻だったが、思いもよらない人物ときょうだいになれたことが嬉しくも感じるのだった。

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