第1章 私も今日からヒーロー科
かっちゃんや轟君のように、強い個性を持っていればいいのか。
デクのように、力を持てばいいのか。
違う。
百ちゃんのように、飯田君のように、お茶子ちゃんのように、サポートのできる個性があれば…
でも、それは私でなくてもいい。
私にできる、私にしかできないこと。
リカバリーガールの元へ、歩みを進めると、頭を深く下げた。
「お願いします。」
「…、ほれ。。あんたの決意は伝わったよ。」
リカバリーガールが差し出してくれた髪の毛を、こくりとのどを立てて飲み込んだ。
、個性“癒し”
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翌日、私は教室に向かった。
新しい私のクラスは1-A。
昨日の会議で、先生方の推薦により、ヒーロー科への編入がきまった。
ただし、みんなとはまた違った個性のため、実技の内容は変わってくる。
みんなが実技の授業を受けている間は、私はリカバリーガールのもとで治癒についてを学ぶ。
相澤先生が教室に入ると、相澤先生の復帰の速さに驚きの声が聞こえた。
それは、私も思った。
そんなことを思っていると、相澤先生の声が教室に響いた。
「今日は編入性を紹介する。おーい。入ってこい。」
そんな相澤先生の声に“学校っぽい!!”と喜ぶ生徒の声が聞こえる。
緊張で高鳴る胸と、呼吸を整えて、普通の扉よりもはるか大きい扉と向き合う。
これが私のヒーローへの第一歩。
私は教室の扉を開き、足を踏み込んだ。
「さん…!!」