第1章 私も今日からヒーロー科
がたっと音をたて、嬉しそうな表情を浮かべて席から立ったのは、お察しの通り。
私の大切な友達の八百万百ちゃん。
デク、そして轟くんも驚いた表情で私を見つめている。
「テメェ…無個性が何でここにいやがる…!!」
デクに引き続き、無個性の私がヒーロー科に来たことが許せないらしいかっちゃんが
立ち上がって私を睨みつける。
「改めまして、といいます。個性は、“癒し”です。」
そんなかっちゃんを無視して自己紹介をする私。
イレイザーヘッドは私を百ちゃんの後ろの席にしてくれた。
知り合いの近くが心強いだろう、と。
俯いてかっちゃんの隣を通りすぎ、百ちゃんの後ろの席へつく。
ちょっと、気まずいんだ。
いつも守ってくれたかっちゃんの横に立ちたくて頑張ってきたけど、
それがかっちゃんには気に食わないらしい。
でも、かっちゃんにビクビクするのは嫌だから強がる。
それも気に入られてなくて、大きくなるにつれてギスギスした関係になっちゃったんだよなぁ。