第1章 私も今日からヒーロー科
爆豪Side
を避け始めたのはいつからだ…、
なんて考えても思い出せねぇ。クソッ
ずっと俺が守ってきた女が、いつの間にか無個性のデクのそばでデクを守るようになって、
俺から離れていったことが気に食わねぇ。
そして今日、あいつがヒーロー科に⋯
A組に来やがって俺の戸惑いは最高潮に達した。
幼いながらに俺は
「俺がずっとこいつを守っていく」
って思ってた。
なのに、こいつまで俺にたてついてきやがるのか、と。
ヒーロー科の下校が始まった夕暮れの中で一人俺はを待っていた。
話すタイミングはここしかねぇ。
「おい、テメェ…」
俺から発したその言葉からの話は始まった。
そしてあいつは
「私、かっちゃんがヒーローになる応援がしたい。ちゃんと、私のところに帰ってきてくれるヒーローになってほしい…。」
「私、この間のUSJが怖かったんだ。何もできなくて。みんなの傷を癒してあげたくてさ。…かっちゃん、私、みんなを癒すことはできるけど、みんなほど戦闘力高くないから、これからも守ってほしいな…、なんて!」
なんて言い出しやがって…。
常に熱い体にさらに熱がこもってくる。
「てめっ…、告白かよ!!」
「はっ!?ちがっ…!!!」
あっけなく否定された言葉にはイラつくが、「守ってほしい」その言葉に今日は満足しておいてやる。
歩き出してから聞こえた「デク」という言葉にまた苛立ちを隠せずに反論しつつ、俺とは帰路へと着いた。
お前は、黙って俺だけに守られてればいいんだよ。