第1章 私も今日からヒーロー科
翌日は、臨時休校になった。
でも、私の足は学校へと向いていた。
「リカバリーガール。私に、個性をください。」
一晩考えた結果の決意だった。
「おや…。」
一晩泣いた。一晩考えた。
腫れた目が、その何よりの証拠だ。
会議の真っ最中だというのに、気にもかけずにその扉を開けた私は、
当然、先生たちの注目の的だ。
「おいおい⋯おまっ」
「話を聞かせておくれよ。」
プレゼント・マイクが私を咎めようとしたんだろうけど、それを遮って口を開いたのは、リカバリーガールではなく、校長だった。
咎めることもなく、まっすぐに向いた私の目を見て、聞いてくれた。
私の決断に、校長も、諸先生方もみんな真剣に耳を傾けている。
「私は、人命救助を第一に考えたヒーローになりたい。そう考えていました。
しかし、先日のUSJでの授業を見て、
轟君のような、守って救助のできるヒーローもいいかなと思いました。
百ちゃんみたいに、なんでも作れたら、いろいろなことに役立つかな、とも思いました。
13号先生のように、いろいろな人を助けられる個性もいいなって…。
でもそれ以上に、傷を負ったヒーローのことは、誰が助けるのかと、そう⋯思いました。
リカバリーガールだって、ずっと現役でいられるわけじゃないし、
そもそも、リカバリーガール一人では手に負えない。
治癒の個性は希少。なら、私がなる。私が、ヒーローのヒーローになる。」
もう、決意は固い。