第1章 私も今日からヒーロー科
私たちがもとの場所に戻ったころには、オールマイトが到着していた。
…でも、ピンチで轟君は迷うことなく助けに行った。
私は邪魔にならないように、13号のもとに駆け寄った。
その13号はボロボロになっていた。
背中が、裂けている。
「先生っ…!!」
私には、駆け寄るだけで何もできない…。
ただ、傍にいることしかできない…。
その戦いは、学校の教師が来たことで終戦となった。
教師陣は、安否の確認をしている。
私も、それを手伝っている。みんなが今まで戦ってきたんだ。
今、私がただ座っているだけなんてそんなことできない。
私の周りには、けが人がたくさんいる。
私は…?
「無事か?…って…おい、」
轟君が守ってくれた。
“無傷”
簡単な手当てと確認を続ける私を案じて寄ってきてくれた轟君は、大きなケガはないものの、小さな傷がたくさんついていた。
「ごめん、ごめんねっ…」
涙が、止まらない。
なんて無力なんだ。なんて…。
倒れる13号やイレイザーヘッドにも、何もできない…。
デクだって、かっちゃんだって傷を負っているのに、私は何もできない…。
私も、私も戦えるように…、なりたい。
私は、轟君に腕を支えられたまま、泣くことしかできなかった。