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千年越しの恋情記 【鬼滅の刃】

第19章 色変わりの呼吸



鱗滝さんが暗示をかけたと言ってたな…確か、鬼を敵…それ以外の人間を家族だと思って守れ…みたいな感じだった気がする

私は鬼だけど、どうやら敵としてはみられていない様で安心した



「禰豆子ちゃんもそのうち言葉を話せる様になると良いね。そうしたら君のお兄さん、きっと喜ぶよ」

「むー!」

「…きっと薬は存在するさ。私たちの希望の薬がさ」



鬼を人に戻す薬…

鬼の中に一人だけ、私の協力者がいるのだけど
その人に血を提供したり、今までとっ捕まえてきた下弦の鬼の血を提供したり…そうすることで薬を作ってくれている人がいる

その人の薬が完成すれば良いけれど…それはまだいつになることやら…という感じだ



「今、鋼鐵塚さん帰りました。禰豆子の様子は如何ですか?」



トントンと襖を叩く音がして、スッと襖が開かれた

炭治郎が明るくそう聞いてきたので「いつも通り、問題なしだよ」と答える



「こればかりは経過観察だね。また異変があったら教えてよ」

「わかりました。ありがとうございます」

「あと…炭治郎、刀が来たってことは今日、明日から本格的に鬼殺隊として任務につくんだよね」

「え?あ、はい!そうです!」



なら一つ言っておかなければいけないことがあった

本当は私が上に話を通してあげれば良いのだけど…事が事なだけに、こればかりはお館様からなんらかの動きがなければ何もできない



「鬼殺隊士が鬼を匿ったり…ましてや連れ歩くことは基本的にご法度なんだ。私が君たち兄妹を知ってるのはまぁ…例外中の例外ってことにしといて。私自身も鬼の身でありながら鬼殺隊として働いてるのもかなり異色だというのも覚えといて欲しい」

「…やっぱり…そうだったんですね…」

「本当は私から上に進言してあげたいけれど、今回のような事態はそうはいかない。私今の柱の子たちにあまり良く思われてなくてね…火に油ってやつなのさ」



蛇の子と風の子に…特に嫌われている…

あとの面々は半々と言ったところだろうか…話はするが、私を鬼殺隊として認めている子はまだ少ないだろう
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