第19章 色変わりの呼吸
要するに私自身信用がないので擁護してあげられないというわけなのだ
「仮にも…裏とはいえ柱なんだけどねぇ…」
「あ、そ、そんな!!ここまでしてもらって、これ以上のことは望めません!!俺がなんとかします」
「…そっか。…あ、でも夜のうちならいつでも診察に行ったげるから、そういう時はいつでも呼んでね」
今でこそ減ったけど、昔は日常茶飯事というかほぼ毎日診察に出向いていたものだ
確かに医者を呼ぶより足は早いけど…今は昔よりもそっちの仕事はなくなってきたので手が空いてるのである
へらへらと微笑みながら、禰豆子ちゃんの遊び相手として赤子をあやす様に遊んでいると、少し申し訳なさそうな顔をした炭治郎が頭を下げた
「ありがとうございます…俺…こんなに良くしてもらって…お二人に何も返せなくて…」
「なに…試験から帰ってきたくれただけでも充分だ。良く頑張ったな…炭治郎」
「そうだよ。私からも…長年の友がここ最近ずっと嬉しそうで感謝してるんだよ。炭治郎のおかげなんだからさ!だから最後まで笑っていて」
「……は…はいっ…」
嬉しそうに微笑みながら、目からは大粒の涙をボロボロと溢す炭治郎に私も鱗滝さんも笑みが溢れてしまって…
そんな炭治郎を禰豆子ちゃんは頭を撫でて抱きしめていた
本当に良い兄妹だ…どうか二人がこの先の試練を乗り越えられる様願っていよう
そうして、鬼殺隊として炭治郎が鱗滝さんの家を出る前に、私は任務に赴いていくのだった