第19章 色変わりの呼吸
懐かしいなーと思い出していたら、炭治郎から質問が一つ飛んできた
「…その…あの…辛くは…ないですか…?」
「血に反応はしないのか…ってことかな?そりゃ反応はするさ!…でも私には薬があるし、多少の我慢は慣れてるからねぇ」
「薬ってもしかして藤の花が使われてる…ものですか?」
「よくわかったね炭治郎。…いや、それが分かるくらい嗅覚が鋭くなった…みたいだね」
そう言って炭治郎の頭を撫でる
鱗滝さんも確か嗅覚がとても優れていたっけ
炭治郎もそのうち匂いでいろんな分別ができるようになるかもしれない
そういった特技は鬼殺隊を続けていくにあたって自分を生かしてくれる心強い力になる
「さぁ夕餉の支度ができたぞ」
「わぁ…今日は鍋なんですね…!」
「材料の鹿肉は依千がここに来る前に狩ってきたものだ」
「いいなぁ…私も食べれたら良かったのに」
昔、人の食べ物を口にしたことが何度かあったけど、鬼の体には受け付けなかったのか…何度も吐いてしまった記憶がある
視覚ではこんなに美味しそうに見えるのに体が受け付けないなんて…悲しすぎる…
「これは…禰豆子ちゃんを人に戻すための薬にあやかるしかないね…あ、もちろん鬼舞辻の頸を切ってからね!」
「その時までわしが生きていたら作ってやろう」
「え、本当に!?…ちょっと頑張っちゃおうかな…」
「俺ももっと沢山強くなって頑張ります!!」
そんな感じで楽しく会話も弾みながら数日が経過していった