第18章 選別の呼吸
「…それでもまぁ…私は私のできることをしようか…」
この山に下級以上の鬼が入らなければ…実力が足りる子たちは山を降りられる
私が鬼を切れなければ、みんな死んでしまう
とても単純でわかりやすいことじゃないか
「さーやりますか…匂いが結構きついけど」
すんすん、と辺りの空気を嗅いでみるけど何処からも藤の花の匂いがする
でもこれがないと選別試験は成り立たない…そう考えるとこの藤の花たちにも感謝をしなくては
それにここに常時いるわけでもない…日が昇れば警備する必要もなくなる
山の中にいる鬼たちも日が出ているうちは動けないし
たった七日間の辛抱だ
「…お、さっそく来たか」
子供たちが皆山の頂上に向かった頃…よく知った気配が近づいてくるのを感じとる
刀をすぐ抜けるよう構えを取りつつ歩みを進める
…今頃炭治郎はどうしているだろうか
馬鹿正直に、山の中にいる鬼たちに人に戻る方法でも聞いていそうだけど…それは七日後に再開した時に聞いてみよう
木の影から姿を現した鬼に距離を積めながら、一度考えを払拭した
「…今日で七日…」
もうじき日が明ける