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千年越しの恋情記 【鬼滅の刃】

第16章 報告の呼吸



手持ちの刀が全て折れていたとはいえ、さすがに手も足も出なさ過ぎた…ここまで差があるなんて…


そんな私の様子に、お館様が口を開く



「実際、本気で戦ったら勝てそうかい?」

「勝てる…と言いたいけど、五分五分…かな…相手は私が人を食べたことないのを知ってた。そこに付け入って血を流させてくるから戦法が立ち悪い…」



腹に風穴を開けたのも、全身打撲を狙ってきたのも、怒り任せもあるだろうけどああすることで傷を治すためにエネルギーを消費させようとしていたのかも知れない

鬼だって怪我をしたらエネルギーを消費して傷を治す

エネルギーを消費したら当然お腹が空く

お腹が空いたら人を食べて力をつける…


だからあの鬼も、私に怪我を負わせることで後々やってくる鬼殺隊員を食らわせようとしていたのだ

…まぁ、食らうくらいなら…と思って自ら首を落として自決を選んでみたけど今こうして無事なので無駄だったようだが…



「うん…じゃあ当面は、見回りの強化をしよう。今までは柱一人で広い地区を担当していたけど、二人一組で回らせよう」

「確かにそれなら安心だね。柱稽古してるから連係も大丈夫だと思うし」

「稽古といえば、最近よく手を貸してくれているそうだね」

「文字通り手を貸してるというか…みんな本当に強くなってきてて、薬効いてる時じゃもう体が反応に追いつかないんだよね」



最近手合わせをしている煉獄さん、悲鳴嶼さん、宇髄さん、時透くん、実弥さん、小芭内さんと義勇さん…柱の男性組には少なくとも一回は手首を切られた記憶がある

しのぶちゃんの毒も効果がしっかりと出るようになってきてるし、蜜璃ちゃんの刃の速度もかなり早い


あの子たちは本当に強くなるのが早い



「私はもともと才があったわけじゃないから…あんなに成長の早い子たちを見てるとなんかこう…嬉しいというか…楽しいというか…」

「分かるよ。私も刀を振れない身だからね…でもそれと同時に心配だって止まない。あの子たちはもう私の子供達同然だから」

「そのために私が居るんだよ。あの子たちに死の危険が迫ったら盾になる…そういう条約だったでしょ」

「…全く、君にとっては何も得ではない条約ばかり選んでくるものだから困ってしまうよ」

「そうでもないよ。私はこれで結構得してるんだから」



そう言って微笑む

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