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千年越しの恋情記 【鬼滅の刃】

第15章 嵐のような呼吸






「身近な話で言うと…蟲柱、胡蝶しのぶがまだ隊員になる前…近辺に鬼がいると真っ先に駆けつけたのは依千だったと岩柱に聞いたぞ!」

「あ、あれは…本当に偶然で…」

「そうだとしても被害を最小限に抑え、ご両親の大切な娘二人を救ったではないか!君がいたからこそという話は他にもある!」

「一体どこでそんな情報を…」



煉獄さんが柱になる前からの話もペラペラと語り出すので吃驚する

そんな私の表情を見て、フッ…と微笑むように煉獄さんは笑った



「鬼が鬼殺隊に…しかも柱にいると聞いた時は、俺だって驚いたものだ。知らないのなら知ればいい…依千のことを調べれば思いの外すぐこう言った話が出てきたぞ」

「ああ…それで…」



多分…煉獄さんに限らず、他の隊員も同じようなことをしてる子がいると思う

確かに、敵であり滅殺対象であるはずの鬼が鬼殺隊にいたらそりゃ驚くだろう

でも煉獄さんは少なくとも、そんな私を無碍に扱うのではなく知ろうとしてくれていたらしい



「人を守り、助ける者は鬼であろうが立派な鬼殺隊員だ!だから胸を張るといい!」

「…ありがとう。煉獄さん」

「うむ!…それでは、俺はそろそろ行くとしよう!気をつけて向かうんだぞ!」



嵐のような時間だ…現に、煉獄さんが去った後の空間はひどく静かだった


彼は強い
柱としても、人としても…とても強くて羨ましいと思えるほど

千年の時など感じないくらい急激に強くなり今の地位にいる彼を、素直に尊敬する


私からしたら二十歳を過ぎている人は、皆総じて尊敬に値するのだけど…
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