第14章 拘束の呼吸
「……ッ………」
…目が覚める
気を取り戻して一番最初に聞いたのは、ジャラッ…という鉄の音
なんの音だ…と思って音の方に視線を移すと、自分の両手首に目が向く
…これは確か…世間一般的には鉄枷と呼ばれる拘束具だったような…
しかもこの嫌な感じ…鬼殺隊の刀の材料になってる鉄を使ってる
この状況はなんなんだ…?と思いながらぼんやりと天井を眺めていると、誰かが部屋に入ってくる
「………依千さん…?」
「はーい…依千です…これはなんのプレイの一環かお聞きしてもいいかな…」
「…覚えていらっしゃらないんですか?」
部屋の入り口にいるしのぶちゃんと目が合った
私の質問に対してそこそこ驚いているようだけど…そんなに驚かれるようなことを言ったかな…
…そこで、気を失う前の記憶を遡る
腹部に風穴は空くし…自分で首落とすわ…骨もいくつか折れていた
鬼だから治るとはいえ、万全の状態ではなかったので治りはかなり遅かったはずだ
もしかしたら、治りきる前に気を失った後で柱の子達が来ていたとすれば…
「あー…いや、覚えてる…滅茶苦茶に負かされたのは覚えてるよ」
「ひどい出血だったんですよ?あれからもう一週間は経ってるんです。…一体何があったんですか」
そう言いながらテキパキと鉄枷を外してくれるしのぶちゃん