第14章 拘束の呼吸
…首を自ら落とした後、意識は無かった
無かったはずなのだけど、何処と無く…何かが起こっている…のだけは伝わった
程なくして、酷く脈を打つ速度が速くなる
鬼としての力は、感情に左右されて勝手に増減したりする…でもこの感覚はそういうものとは少し違った
…目を覚ます一歩手前…そこで、ふと思い出す
「一人にはしない」
…そう…そうだった
人だった頃の私の最後は、病の淵に伏していたのだ
でもずっとそばに誰かがいてくれた
それよりもずっと前から一緒にいたはずなのに…その頃の記憶が思い出せない
幾度となく指切りをし
幾度となく約束を重ねた
でも今はその内容が思い出せない
「約束です」
「…絶対だぞ」
「はい。いつまでも待ちます」
そう言って交わした口約束こそ数知れない
あの人は…あの人は、もしかして…